通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2018年9月号  加藤久和・明治大学政治経済学部教授

人口減少時代は“コンパクト化”が避けられない
郵便局を地域の「情報集積」「包括ケア」の拠点に


 東京一極集中がいろいろと言われていますが、個人的には一極集中すべてが悪いことではないと思っていまして、多くの方が集まり、多くの企業が来てくれることで、多様な集積の経済ができているのですから。その一方で、混雑現象と言いますか、地価が高くなったり、住みにくくなったりする。若い人が東京に来ても、なかなか子どもが持てないという状況があり、これは改善しなければならない。東京が全部だめだというわけではないのですが、大事なことは東京に来なくてもいいような、そういった中核都市をどうやって作っていくかということだと思うのです。地域の中の県庁所在地や第二、第三の都市を集積していくことが必要なのだろうと思います。その周辺の市町村とうまく連携しながら、周辺の市町村はコンパクトにしていくような仕組みで地域を作っていかないと、人口減少時代にはなかなか対応できないだろうと思います。
 コンパクトな街づくりをするなかで、郵便局さんがどうするのかを考えて頂きたいと思うのです。“情報の集積拠点”になるというのもひとつのやり方だと思いますし、高齢者の方が中核部分に来て、郵便局さんのいろいろなサービスがあるということが、コンパクトな街づくりのカギになれば、それはそれでひとつの大きな役割なのではないかと思うのです。