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事業報告

平成26年度事業報告

 第49期(自 平成26年4月1日~至 平成27年3月31日)の決算にあたり、当社団の事業概況についてご報告申し上げます。

 第二次安倍政権で放った三本の矢(大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略)は、日銀を巻き込んだ異次元の金融緩和政策等により、株高、円安傾向となって表面化し、その結果として輸出産業などは一部企業業績、雇用面で改善が見られ、また、株式など保有している投資家等の金融資産は上昇し利益に浴したが、国民生活は円安により輸入物価の上昇等で悪化している。さらに平成26年4月から消費税が8%に増税されたことによって民間消費の大幅な落ち込みがみられ、その下支えとして期待された経済対策も公共投資が微増に終わったことにより十分な効果をもたらされていない。
 そのような状況の中で、安倍政権は平成27年10月に予定していた消費税10%への再引き上げの時期を平成29年4月へ先送りし、この判断の是非について国民の信を問うとして「アベノミクス解散」と名付け衆議院を解散した。
  平成26年12月21日に投開票が行われた第47回衆議院議員通常選挙の結果について、国民の中にはアベノミクスの成果を測るにはまだ2年しか経過していないなどとして、政権与党が大勝し消費税の先送りが決まった。
 日本郵政グループの上場に向けた動向は、平成26年4月14日から財政制度等審議会国有財産分科会で議論が始まり、9月30日に日本郵政グループ資本の再構成が行われた。これはゆうちょ銀行の余剰資本を活用して日本郵政㈱と過小資本にある日本郵便㈱に資本注入し事業強化を図ったものである。10月1日には、日本郵政㈱が上場する際の主幹事証券会社11社が選定され、12月26日に日本郵政㈱の社長会見で3社(日本郵政㈱・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険)同時上場が公表された。この親子同時上場は、日本では初めての試みで平成27年秋口頃を予定している。
 今後、日本郵政及びその子会社の企業価値をいかに高めていくことができるのか、上場審査基準の適格要件にある「企業の継続性及び収益性、企業経営の健全性、企業コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性等」に対して上場会社としての適性が求められてくる。
 会員のニーズに応えるべく、可能な限りの情報を提供していくために機関誌『逓信 耀』の誌面をより一層充実させるため、毎月企画編集会議を開催し、焦点を明確にして全国各地に取材を行った。
 編集方針については、国内外の政治・経済問題の専門家を中心に執筆いただき、さらに、日本郵政グループ各社の経営戦略を紹介し、郵政民営化法等改正法によって郵便局ネットワークの維持・活用、公益性及び地域性が求められる郵政事業について、国会議員、有識者の先生方等によりさまざまな角度での検証を行い、その問題点と課題を浮き彫りにした。また、「地方自治と郵政事業」というテーマで8人の市町村長から郵政事業と地方自治体との関係、あり方、連携等の必要性について意見を伺った。全国の郵便局長にご協力いただき、インタビューや各種座談会等を通じて、分社化による影響、地域社会に貢献する郵便局の実像や今後の展望等について掲載することができ、また今期も逓信「耀」増刊号を発行することができた。

  公益目的事業として行った「日本郵政の経営分析と企業価値評価~上場を見据えたグループ再編を経て~」(京都大学経済学部藤井秀樹ゼミナール 日本郵政企業分析チーム)、「イギリスおける郵政改革の実態と課題~ロイヤルメールの民営化とポストオフィスの存続を中心として~」(関西学院大学経済学部野村宗訓教授)報告会を開催した。
 「日本郵政の経営分析と企業価値評価」では、経営環境が厳しい日本郵政グループの財務諸表分析と企業価値評価について、安全性リスク分析、日本郵政グループの経営シミュレーション等の報告を受け、また本年度は郵政事業とユニバーサルサービスについても調査研究を行い、その後質疑応答を行った。  また「イギリスにおける郵政改革の実態と課題」ではイギリスにおける郵政改革の現状と将来展望が報告された。いずれも時宜を得た大変有意義な報告会で、資料を関係機関に配布した。全国各地に講師派遣等を行い会員のニーズに応えることができた。


≪報告会開催≫ ホテル・ルポール麹町
 ・日本郵政の経営分析と企業価値評価
  ~上場を見据えたグループ再編を経て~
    郵政事業企業分析チーム
    京都大学大学院経済学研究科教授 藤井秀樹先生他
 ・イギリスにおける郵政改革の実態と課題
  -ロイヤルメールの民営化とポストオフィスの存続を中心としてー
    関西学院大学経済学部教授 野村宗訓先生

《講演会》 ホテル・ルポール麹町
 ・日本郵政上場への重要課題 東京国際大学名誉教授 田尻嗣夫先生

《調査・研究会》
 ・日本郵政の経営分析と企業価値評価について
    郵政事業企業分析チーム
    京都大学大学院経済学研究科教授 藤井秀樹先生
 ・イギリスにおける郵政改革の実態と課題
    関西学院大学経済学部教授 野村宗訓先生

資料集作成

*日本郵政の経営分析と企業価値評価

*イギリスにおける郵政改革の実態と課題

逓信「耀」増刊号 1回発行

    3月 地方自治と郵政事業(Ⅳ)

  • 地方自治と郵政事業 第23回~第31回
  • 対談       城内実衆議院議員 評論家森田実氏
  • 特別対談    東京大学名誉教授 月尾嘉男先生
               一般社団法人通信研究会 亀井久興会長 等々
寄付・寄贈

 ・公益財団法人 通信文化協会

《総会開催(定時・臨時)》

 ○平成26年5月20日(火)ホテル・ルポール麹町
  ・平成25年度事業報告及び決算報告、公益目的支出計画について
 ○平成26年12月2日(火)ホテル・ルポール麹町
  ・公益目的支出計画変更について
 ○平成27年3月16日(月)ホテル・ルポール麹町
  ・平成27年度事業計画及び収支予算案について