通信研究会

通信研究会のご案内

事業計画

平成27年度事業計画

 今期は、前期に引き続き郵政事業及び電気通信、放送の分野におけるさまざまな施策、情報等について広く国民を啓蒙していきたい。
 日本経済の再生のためには、地域力を高め地域経済の好循環を起こしていくことが求められている。地域の再生なくして日本経済の再生はない。
 総務省では、経済成長の成果を全国津々浦々まで行き渡らせるため、「地域の元気創造本部」を設置し、地域発の成長戦略である「地域の元気創造プラン」を推進している。
 科学技術、イノベーション政策は重要な国家戦略でありユビキタスネットワーク社会へ向け、情報通信技術(ICT)の利活用は、医療・教育・雇用・行政・農業等幅広い分野で推進が期待されている。インターネット、電子メールの普及によって、ITへの依存度が高まる中、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」安心、安全に利用して快適に暮らせるユビキタスネット社会の実現を目指し、情報通信技術の進歩は、日本経済の発展を支える原動力の一つになっている。
 全国1.719の市町村のうち718の市町村(41.7%)から人口が流出しているが、産業構造の変化、産業基盤の衰退による雇用の減少が要因の一つといわれている。
 全国津々浦々に張り巡らされた郵便局ネットワークは、地域の情報拠点としての機能や役割が今後ますます高まり、そのためには、郵便局の地域経済の活性化と住民生活の利便性を創出する新たな事業が必要である。
 今年度は持ち株会社日本郵政㈱と㈱ゆうちょ銀行及び㈱かんぽ生命保険による三社同時上場が予定されている。日本郵政㈱の株式売却益は、東日本大震災の復興財源に充当される予定だが、金融2社の株式売却益は当初、日本郵政㈱の自己株式取得資金のため活用すると言われている。本来であれば金融2社の株式売却益を活用して、郵便局ネットワークを維持するために、過疎地域対策として積み立てができる制度を創設する必要がある。郵政民営化法では社会・地域貢献基金という制度があったが、改正法によって基金制度は廃止された。現在、規制されている郵政事業のスキームで投資家が求める利益の最大化、効率化の側面と公共的側面がお互いに相反する方向で作用する可能性が高い。
 平成24年4月27日に成立した改正郵政民営化法で明記された、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により、郵便局で一体的かつあまねく全国において公平に利用できることとされているが、株式が上場されたあと、全国の郵便局において、どのようにユニバーサルサービスを維持していくことができるのか大きな課題である。
 当法人としては、厳しい経営環境の下、制度設計のさらなる見直しの必要性、郵便局サービスの新たな利活用方法などさまざまな角度から検証しつつ、公共性や地域性が求められ、地域貢献施策を担うことになる郵便局が、地域社会に対して住民の期待に応えられ、さらに三事業を中心とした新しいビジネスモデルを早急に構築できるよう率先して提案をしていきたい。 
 今後少子高齢化、過疎化が進む中、都市部と地方部との格差是正を図るためにも、地域社会における有人窓口の特性を持つ郵便局の役割はますます増大していく。
 前期に引き続き日本郵政グループの持つ潜在的な力、企業価値向上、郵便局ネットワークのあり方、郵政事業が発展するための新たな役割を調査、研究を行いその成果を会員及び関係機関に開陳していきたい。

《今期の事業計画》


Ⅰ 機関誌 逓信『耀』の発行と編集方針について
○ 総務省の施策を中心として郵政事業・電気通信・放送分野等の今後の課題について。
○ 郵政民営化の現状と問題点、郵政改革全般について国会の先生方及び有識者等の意見を掲載。
○ 日本郵政株式会社(各事業会社)の経営戦略について。
○ 郵便局における新しいビジネスモデルの提案について。
○ 郵便局長の取材を通して郵便局の役割、地域密着型郵便局のあり方について。
○ 世界の郵政改革の現状と課題について。
○ 身近な防災講座について。
○ 連載企画関係 *「シリーズ政策を問う!」*「霞が関からのレポート」  *「民営化という虚妄を超えて」*「郵政事業の課題と展望」*「郵便局における地域貢献活動の重要性」*「地方自治と郵政事業」*「逆境に打ち克つ組織づくり」等掲載。
○ 増刊号の発行について〔予定〕


Ⅱ セミナー・研修会の開催
 会員各位の多様な要望に応えるべく、郵政事業のみならず、電気通信、放送分野等についても当面の諸問題について勉強する。


Ⅲ 調査・研究会の開催
・郵政改革検証委員会の開催
 改正郵政民営化法の施行により、利用者にとって利用しやすい郵便局になっているのか、郵政サービスの現状と課題について検証を行う。
・新郵政事業ビジネスモデル調査研究委員会の開催
 短期・中期的視点において、諸外国の郵政改革も参考にしながら、郵政事業の在り方を検証し、郵政グループ各社の成長戦略を考究する。
・未来の郵便局を考える研究会の開催
 長期的な視点で地域社会における郵便局の機能、役割、在り方等を検証する。


Ⅳ メール情報サービスおよびホームページの充実
・会員向けメール情報サービスのさらなる充実。さらに利用者の増大を図る。
・当法人のホームページのさらなる充実を図る。

V 公益目的事業
 公1:「海外における情報通信及び郵政事業の変遷とわが国における情報通信及び郵政事業のあり方について」の調査研究事業
 公2:ユニバーサルサービスに係る新ビジネスモデルの調査研究事業

 特定寄付: 公益財団法人 通信文化協会

 本事業は公益性の観点から郵政事業の戦略的成長を調査研究し、その成果をホームページ等において、広く一般に還元する事業であり「地域社会の健全な発展」を目的とする事業である。


VI 相談窓口について
 各種セミナー、講演会等の講師派遣、会員等のさまざまな要望、照会に対応するための「相談窓口」の対応の充実。


VII その他
・国会情報等の各種資料集の作成。
・郵政事業に係る関係資料の作成

 以上のように各種事業を通じて当法人の役割は、今後ますます増大し、そのためには正会員、賛助会員の拡大、増強を図り、活発な事業活動を展開していきたい。このような活動から発生する会費収入をはじめとする諸収入を源泉として、さらに有意義な研究活動を続けていき、社会に対する貢献度の高い法人を目指し、会員の皆様方のさらなるご協力を宜しくお願い申し上げます。