通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2021年5月号 石井大一郎 宇都宮大学地域デザイン科学部
               コミュニティデザイン学科准教授

‟まちづくり“で中・高校生の果たす役割大きい
郵便局は信頼をベースに” まちの居場所化”も


 栃木に来てから思うことは、まちづくりにおける中学生と高校生の役割についてです。これは、地方創生の中でもっと力を入れてよいのではないかと思っています。大学生はもちろんそうなのですが、中学生、高校生に焦点を当てると、自らが生まれ育った場所で過ごす最後になるかもしれないのがこの期間です。特に地方においては中学校卒業後、あるいは高校卒業後に地元を離れる人が少なくありません。高校がないまちというのは、私が調査したいくつかの地域で同じ結果が出ていますが、将来にわたりU・Iターンをする人の割合も極端に少なくなっているのです。つまり、過疎化したまちで高校が閉校・廃校となると、他の地域の高校に通って寮に入らざるを得ません。自分が自由に動けるようになった15歳から18歳の時期に生まれ育ったまちを出て行ってしまうことは、まちの魅力を体感することを時間的にも空間的にも失うことになるのです。
 したがって、高校を維持させることと、高校生の時代にまちでどう過ごせるのか、どのような経験を得られるのかが、そのまちの将来にとって重要となるわけです。地方創生においては中学生・高校生が活躍できる支援策を中長期スパンで捉えて、もっと検討していく必要があるでしょう。

 郵便局に期待することは、郵便局による‟まちの居場所化“です。郵便局が中間支援的な機能を担っていく、そしてまちの居場所になっていく、高校生も支えていくといった姿です。高校生が自習し会話をする場所になり、まちのお母さんや子どもたちは、郵便は出さなくとも1日のうち1回は立ち寄れるような場所になっていく。地域住民にとって日常の生活の中に郵便局が自然に組み込まれていくイメージです。郵便局の公共性があってこそ実現できます。