通信研究会

機関誌 逓信「耀」 特集 地方創生のいま、地域を元気に!

2022年2月号 西出順郎 明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科
              専任教授

地方創生は最後の “姿”の共有化が大事
郵便局は主体性を持った行動力に期待


(二期目に入った地方創生施策について)てんこ盛りといった感じですが、やれることはかなり盛り込まれているのではないでしょうか。そこで大切なのは、自らの地域の将来像を明確に描いておくことだと思います。人口減少の具体的な要因はなにか、に対して、地域としてどう応えていくのか。そして、どのような地域を作り上げたいのか。それらを明確にし、地域住民の方々としっかり共有することが重要となります。「創生」というスローガンをどう実現させるのか、各地域が将来の映像を映し出すことができているのかどうか、いささか心配です。それが共有されていなければ、皆が違った映像を心の中で映し出していることになります。自らの地域に大きなビルディングが建っている映像かもしれないし、一面畑でポツンと一軒家で穏やかに生活を営んでいるかもしれない。「創生」の先を地域の皆さんで共有できるといいと思います。できもしない姿を描くのはどうかと思いますが、何も描かないのはもっと無責任です。地域によっていろいろな映像があるでしょう。地域を牽引する方々には、将来の映像を作り、それを皆で共有することに尽力してもらいたいし、郵便局にもそのためにひと汗かいてほしい。国としても、材料を提供したから、それぞれの地方がそのメニューを活用して頑張れ!ということだと思います。地方それぞれが自分達の、自分達なりの地方創生の結果、創り上げられる姿を明確にし、地域一体となってそれを推進してほしいと思います。