通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2010年7月号 亀井久興総務大臣顧問に「郵政改革法案」を聞く!(下)

郵便局の信頼回復が新郵政の出発点 郵貯資金投資は国家プロジェクトに


 郵貯の限度額の引き上げをものすごく大きな問題としてマスコミも取り上げ、郵政の肥大化などと叩こうとする。しかし、限度額があるから郵貯の残高が減ってきているわけではない。民営分社化よる様々な弊害により、地域でどんどん郵便局離れを起こしてきていることが大きい。やはり、郵政の仕事の基本は全国にある郵便局の存在。郵便局の信頼を取り戻し、再構築していくことがすべての出発点になるのではないか。

 かつて財投融資制度が改革される前は、とにかく郵便局はお金を集めるだけ集めて、当時の大蔵省資金運用部に預け、運用部がそのお金を財投機関に投融資して一元的に運用していた。貯金をしている人たちからすると、自分たちの貯金がどう使われたかについてはあまり関心を持っていなかったように思う。

  しかし、昨今のような状況になってくると、民間の銀行に預けたお金よりも郵便局に預けたお金のほうが 国や地域のために有効に使われているという実感が得られるような使い方をしたほうが良いのではないか。逆にそうすることによって郵貯がしっかりと維持されてくると思う。
将来を見通した国づくりのビジョンと国家戦略がないために経済成長は停滞し、国民所得も税収も減少して国力がどんどん弱くなっている今日、積極的な国づくりを進めていくために、確固たる国家的プロジェクトをしっかりと位置付けていく必要がある。