通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2015年1月号 インタビュー 柘植芳文参議院議員・全特顧問に聞く

地方創生、郵便局の存在感示すチャンス
勇気と自信を持って地方から改革の声を


 私の頭からはどうしても郵便局イコール地方というのが離れない。地方をなぜ大事にしたいのかというと、私が地方で育ったということも一つにあるが、もう一つ大きな理由がある。小泉元首相が進めた新自由主義の流れの中で今も強烈に頭に残っているのだが、テレビ番組の座談会で、ある識者が小泉構造改革を進めていくと地方から様々なものが無くなってしまうと発言した際に、小泉ブレーンの一人である民間企業の経営者が「利便性の高い場所に移り住めばいいじゃないか」と発言した。こういう考えを持つ人がこの国にいるのかと本当に腹立たしくなった。誰しもが故郷に思いを起こし、その地に住んでいる。その地域で生活している方が一人でも二人でもいれば、そこに国として最低限の生活ができる保護を当てながら政策を展開していかなければならないはずだ。今回、政府が「地方創生」を政策の柱に掲げたときに、ようやくこの時が来たかという感慨を持った。
 では今、何をなすべきかといった時に、やはり中央集権的な発想ではなく、どうやって地方を再生させるかということ。
 地域を最後まで守っていくのは赤いポストしかない。民間になったのだから様々なことがやれるはずだ。「地方創生」という政府の重要政策にいかにコミットしていくか、この機を逃したら地域社会の中での郵便局の利活用という芽が消えてしまう。国や地方自治体とタイアップしながら郵便局が地域を最後まで守っていく。そのために、地域における拠点として郵便局を再構築してもらい、そこから派生して、一人でも二人でも地方に帰ってくる人、地方で頑張ってくれる人を支援する政策が実行できればいいと思っている。