通信研究会

機関誌 逓信「耀」 インタビュー

2018年2月号 新春インタビュー 柘植芳文・参議院環境常任委員長に聞く

ユニバーサルサービス確保のための新スキーム
日本郵政及び日本郵便の中期計画に市場は注目


 ユニバーサルサービスコストというのは、言葉を代えれば郵便局のネットワークの維持費です。これは、日本郵便という会社の収益(構造)が増えれば当然減ってきますし、赤字になってくれば増えてくるわけです。ですから、まず、コストがどのくらいかかるかを明示しないと、そのコストをどのように補っていくかの議論が進めにくいのです。
 日本郵便が一元的にはしっかりやらなければいけないと思っていますが、私は諸外国にあってもこのコスト負担は「提供会社」「ユニバーサルサービスを受ける利用者」「ユニバーサルサービスを課した国」の三者が相応の負担を果たすべきと考えます。この三者がうまく補い合って提供する形がベストと考えます。また、日本郵政グループ全体でコストを補う認識を共有してほしいということです。今回、自民党の郵活連、特命委員会等で議論してきたことはそのことがベースにあったわけです。今回の負担金スキームはこの通常国会に議員立法として提出し成立を図るべく懸命な努力をしているところです。
  郵便局維持に係る固定費のようなものを一部切り離して、それを負担金という形で第三者機関に持っていき、そこから交付金という形で日本郵便に交付する仕組みです。これはまだ本当に序の口なのです。ある種、スキームを作っただけのことであって、完成形ではありません。第三者機関としては、ゆうちょ・かんぽの旧勘定を扱っている独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構などが候補に挙がっていますが、まだ確定いたしていません。その第三者機関に新しい事務を付加することになるわけです。でも、ここを通して日本郵便に交付金として出したとしても、何のために使うかなど、お金に縛りをつけておくべきと、ユニバーサルサービスのコスト以外に用途替えされることはあってはならないと考えます。あくまで、ユニバーサルサービスのコストという名目でやるものです。コストの大半はネットワークの維持に必要なものです。